4分28秒 / ボーカル使用ライブラリ : 銀咲大和(CeVIO)
初めて帰省する息子を迎える父の歌。
『もうすぐ「ただいま」って言うよ』の歌詞だけ違うバージョンです。
銀咲、良い声。
ただ、赤咲の異常な発音の良さに慣れ切っていると、他のライブラリでの発音調整に手間取りますね……。
昼を待たず、夏は牙をむく
広げた新聞もそこそこにたたむ
「もうすぐあの子、駅につくかしら」
そうつぶやく君にうなずき返した
迷惑そうな顔してるくせに、
声だけは妙に弾んでいるね
そんな声、ここしばらく
僕にはかけてくれないじゃない
「午後は雨が降る予報なのよ、
あの子、傘は持ってきているのかしら」
心配顔になる君だけれど、
アイツも大人だし、心配無用さ
たとえずぶ濡れの格好で帰っても、
それはね、アイツの責任だから
傘もってむかえに行くなんて、やめとけ
みっともないぞ
「…散歩に出る」
そう伝える僕に、君は微笑む
空は青く、雲ひとつない
雨は降らないだろう、行ってくるよ
夏が来るたび、ふと思い出す
まだ若いころに里帰りしたとき、
何年振りかで話した親父の顔は、何というか、
怒ってるような、笑ってるような、
何ともいえない顔になっていたっけ
いま僕もまた、同じ顔して
アイツをむかえるのかな
…あっ、雨が降りそうだな
降り出すまえに家に帰ろう